東南アジアで4年、子どもと一緒に生活した。
現地の生活もめちゃくちゃ楽しかったし、子どもにとっても刺激的な環境だったと思う。でも出雲に帰ってきて、改めて気づいたことがある。自然の中でしか得られない体験って、確かにあるんだなということ。
虫嫌いだった子が、てんとう虫を自分で触るようになった。
これが一番びっくりした変化かもしれない。
東南アジアにいたころ、子どもが触れる虫といえば蚊・ハエ・ヤモリくらい。しかも現地では週1回ペストコントロールがあって、虫が人工的に排除されていた。だから「虫と遊ぶ」という体験自体がほぼなかった。
出雲に来てから、てんとう虫やバッタを見つけると自分で追いかけるようになった。最初は恐る恐るだったのに、今では自分で触れる。それだけで「あ、ここに帰ってきてよかった」って思った。
公園の遊具、種類が全然違った。
東南アジアの公園もめちゃ楽しい。でも遊具の種類が違う。鉄棒やうんていってほぼ見たことがなかった。体操の習い事をしている子は多かったから、そういう動きは習い事で身につける文化なのかもしれない。
出雲の公園に来て、初めて鉄棒とうんていに挑戦した。最初は全然できなかったのに、少しずつ上達して「できた!」って喜んでいる姿を見ると、こっちまで嬉しくなる。公園で無料でこういう体験ができるって、当たり前じゃなかったんだなと改めて思った。
自然の川で遊ぶって、こんなに特別なことだったんだ。
東南アジアもウォーターパークが充実していて、それはそれでめちゃくちゃ楽しかった。でも自然の川で遊んだり、ヤマメの掴み取りをしたりという体験はなかった。用水路はあったけど、正直どこも水が綺麗じゃなくて。
出雲には渓流がある。澄んだ水の中でヤマメを追いかけたり、川遊びをしたり。これって実は贅沢な体験なんだと、海外生活を経た今だからこそわかる。
どちらの暮らしも、良さがある。
東南アジアでの生活を後悔しているわけじゃない。あの4年間は子どもにとっても私にとっても間違いなく特別な時間だった。
でも出雲に帰ってきて、子どもが虫を追いかけて、鉄棒に挑戦して、川で遊ぶ姿を見ていると思う。自然の中でしか育めないものって確かにあって、それを今ここで吸収している。それがなんだかとても嬉しい。


